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「ば、化け物っ!」
「えぇ、死鬼と化すと、この世漂う負の気を呼び寄せます。それは、悪霊、妖怪、物の怪の類、人ではない魔の物すらも召還する力を持ちます」
「餓鬼か…」
そう言って吉良は懐から札を取り出し、
「烏、ついでに雑魚の討伐もお願いする」
そう付け加えた。
「お前に命令されたく無い」
そう吐き捨てて、烏天狗は錫杖を片手に翼をはためかせ、餓鬼の群に飛び込んだ。
「あ、どうして…」
そんな中、香苗が由良と吉良に声を掛けた。
「何となく、気付いたのです」
振り向いて由良が言った。
「死鬼の姿を見て確信しました。しかし、千都ちゃんの前で、私が言って良い事では無いかと思います」
「ぉお…」
ビチャッ、と音を立てた女に、吉良は札を投げて張り付ける。
「ま、待ってくれ!!」
それを香苗が止めに入った。
「な…」
吉良は驚いて香苗に振り向いた。
「あが…動けな…」
女の方はジタバタとし、身動きが取れないようだった。
その光景を見ていた千都の後ろに、
「ぎゃぁあ!」
餓鬼が一匹飛びつこうとした。
「きゃああ!!」
千都が倒れ込んで叫んだ。
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