壱ノ話【水】

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 美代の旦那はというと、実はその漁に出てから結局帰って来ない…。  可哀想だが、おらにとっては都合の良い事に違ぇねぇ…不憫だなぁ。  その後、産まれたなりの千都を連れて旦那の所に戻ったんだが、結局、旦那の女遊びが過ぎたせいで一人の女によって家に火ぃ着けられて旦那も家も燃えちまった。  おらは、まだまだ幼い乳飲み子だった千都と、持てるだけの金を持って逃げた。  それで、今、こうして生きている…。  * * *
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