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「わかったわウサギさん。私の武器はどこにあるの?」
そう言うとウサギは焦ったようにぴょんぴょんと飛び跳ねる。
「メアリ・アン!君の武器は錆びてしまった!メアリ・アン!あぁ君はとんだ遅刻者だ!」
どうやら私は遅刻していたらしい。
武器が錆びるまで遅刻するなんてかなりのものだ。(きっと3年位待たせたのだろう)
「でもそれじゃあ私はアリスと戦えないわ。」
私が困ったように言うとウサギは目を真っ赤にして怒ったように叫ぶ。
「それじゃあ僕が殺されてしまうだろう!メアリ・アン!何とか僕を助けておくれ!あぁ、来る!アリスが来てしまう!」
なんて無茶を言うウサギなんだろうか。
しかしながら森の奥から何か音がしたのは私でもわかった。
私はとりあえずウサギの前に立ち、身構える。
戦うつもりも逃げるつもりもなかったが、これ以上ウサギを怒らせたら大変なことになると思ったからだ。
ざわざわと木々が騒ぎ立つ。
私は人のオーラなんかには疎いはずだが、緊張感 からか背中がヒヤリとした。
「ウサギさん。私の時間を返して。」
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