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青くたくましい羽を開いて飛翔する巨大な鳥の背後には王都を赤色に染める太陽が昇った。威容を誇る建物にはべったりとした影が張り付いていて傷口から絶えず出血しているかのようだった。街は喧騒に溢れていく。だらしなく肥えた商人の誘いの声や鷲鼻の鍛冶屋が打ち鳴らす鉄の音、茶色い肌をした住人、白人と黒人の奴隷、夜が待ち遠しくてたまらないといった表情の酒場の主人やなまめかしい姿の淫らな女たちが朝の太陽の日差しとともに静寂を破った。
さて、数々の戦場にて血を啜る悪魔のごとく戦い、過酷な環境で生き抜いてきた二人の傭兵が城を訪れたのは王より信用と任務を得て、長旅ですっかり軽くなった巾着の中身を少しでも金貨で満たそうという欲望に支配されていたからであった。そして彼らの願いは叶う目前にまで達していた。幻妖獣が隠れてる古城までの旅に同行する戦士をエドラの若い王は探していたからである。二人の戦士は城の広くて長い廊下を歩きながら会話を楽しんでいた。
たっぷりと顎髭を蓄えた年上のリッティッロと、その彼よりわずかに未熟であるベイルマンダスは残酷な戦争を幾つも経験してきたので二人は絆で固く結ばれていたし、葡萄酒や金や女をめぐった些細な喧嘩をすることがあってもなおこの交友はずっと続いている。彼らの武勇はエドラの王に注目され、この上ない名誉を引き寄せていたのだ。リッティッロは若くて知識や技量が充分に備わっていない王から任務を得れぬはずがないと確信していた。
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