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そんないつもと変わらない日々を送る予定だったある日。どこか懐かしい田舎のなまりで,俺を呼ぶ声に久しぶりの再会。『いつからこっちの営業所に?』
ドライバーとして働く俺とは別に品物の仕分け商品管理をする専門の人達,倉庫係『倉庫さん』と会社で呼ばれる人達。
幼なじみだが軽い知的障害の彼女を数年前に彼女の『働きたい』という強い希望と,幼なじみの縁と,彼女の母親に頼まれ,俺の働いてる会社の倉庫係を紹介した。
母親の目の届く場所が良いだろうと,田舎の営業所を紹介しそこでたまにドジりながらも,一生懸命頑張っていた。
『私だって東京来てみたかったし…お母さんも,東京ならケンペ居るから…て』
ケンペ……幼稚園の時に今,俺と話をしている女が『健介』とうまく言えずついたあだ名……東京で久しぶりに聞く……。
『ごめん…ケンペって呼ばれるの好きじゃなかったよね…』
俺の表情を読み取り謝る。
『すぐ,そぉやって謝らなくってもいいって言ってるだろ』
疲れから少し不機嫌な俺。小声で『ごめん』とまた謝ってる。
少し悪かったと思ったのと,東京に来てから一人でご飯を食べるのが当たり前だった事もあり,たまにはと生き抜きのつもりで仕事終わりに晩飯を一緒に食べる約束をした。『これ,俺の携帯の番号,携帯ぐらいは持ってるよな?』
そう言って番号を書いたメモを渡し別れた。
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