第一章『神々の使い、竜』

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第一章『神々の使い、竜』

『いってきまーす!』 『ちょっ、ちょっと!鞄置いてってどうするの!』 『あっ!いけねっ!じゃあ、いってきます!』 『気をつけるのよ。』 『大丈夫だって!』   少年は元気に家を出る。   『はぁー。今日もいい朝だ!』 俺の名前は、翔眞(しょうま)。 もうすぐ中三になる、14歳だ。 『…ったく。まだ三月だってのに、もうこんなに暑いや…。』   タッタッ……。   『ドーンッ!おっはよー翔眞ぁ!今日は朝から暑いねぇ!』 『お前のそのハイテンションのせいじゃないのかぁ?』   おっと…紹介が遅れたけど、このハイテンションガールは俺の幼なじみの明日香(あすか)。なんか男みたいにうるさいけど、れっきとした女の子。   『もう三学期もあと少しで終わりだね…。』 『まぁね。でも三年もあるから中学校生活はまだまだだよ。』 『よーっし!春休みは遊ぶぞーっ!!』 『…明日香は朝から元気だなぁ…。』   俺もこの時は、今年も去年のようにのんびり有意義に春休みを過ごすと思ってた。   けれどあの本を読んでからすべては変わった。   そして、それに明日香も巻き込まれるなんて、明日香本人だってこの時は考えて無かっただろう…。
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