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あの時か…。
確かに俺は、数日前、美里と一緒に武浩さんを追って地方のホテルへと出向いた。
俺はあの時、美里が言った言葉を思い出そうとしていた。
確か、武浩さんがホテルにチェックインしたのを確認して・・・・。
それから、俺の所に美里が呼びに来て・・・・。
「あの時、その美里って言う女は、『そんな電話はいいから。早く来て・・・もういっちゃうから・・・』と切羽詰まった声で言っていたそうですよ・・・」
そう言われて、俺はハッとした。
「まさか・・・・」
「その様子だと・・・・紗希の誤解って訳ですね。でも、あの時の紗希は、精神的にも不安定だったから、それが本当なのかどうかは判断出来なかったと思います」
「精神的不安定?ど・・・、どういう事なんだ・・・・」
俺は思わず、健司の肩を掴むとその事を問いただしていた。
健司は、顔を歪ませると俺の手を払い除けて顔を俯かせた。
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