策略

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「悪いが・・・、これ以上は言えない。紗希と約束したから・・・・」 そう言うと、健司は俺に背を向けて歩き出した。 俺は思わず健司の腕を掴むと、懇願する様に言った。 「頼む!教えてくれ!紗希に何があったんだ?何故、俺の前から姿を消したんだ?!」 健司は、口を閉じしばらく黙っていたが、俺を真っ直ぐ見ると口を開いた。 「紗希は・・・・、今でもアンタに惚れてるよ。それも心底惚れてる。だから、アンタの前から姿を消したんだよ!アンタが、紗希のお陰で変れた様に、俺も紗希のお陰で自分を見つめ直す事が出来た。だから俺は、最後まで紗希の味方でいようと決めたんだ!」 そう言うと、掴んでいた手を無理やり払った。 .
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