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俺がちゃんと説明をしていれば、紗希を不安にさせる事もなかった。
俺は、尽く紗希を傷つけて苦しめているだけに過ぎない。
「圭・・・、あの健司って子が言ってたように、紗希ちゃんの行動を洗ってみるよ。何か見えて来るかもしれないしな」
「ああ・・・・」
俺は、ボーっとしながらそう返事をするとソファーへと腰掛けた。
守は、手帳を持って社長室を出ようとしていた。
「なぁ、守・・・・」
俺がそう言うと、守は開け掛けたドアを閉めた。
「俺が、紗希を見つけなければこんな事にならなかったんだよな?紗希を見つけて、強引に俺の傍に置いたから・・・だから、紗希は不安になって傷ついて。俺が紗希の傍に居る資格ってあるのか・・・?」
俺は、そう言うと頭を抱えて項垂れた。
守はそんな俺を呆れたかの様に盛大の溜息を付くと、俺の傍に来てドカッと隣に座った。
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