6708人が本棚に入れています
本棚に追加
「柏木さん・・・ありがとう。行きましょう」
「いいのか?」
「ええ、これでプラウドの倒産は免れたわ」
私がそう言うと、柏木さんはそっと私の腰に手を回した。
会場の入り口に来た時、最後にもう一度、壇上の方に視線を向けた。
そこには、少し戸惑い驚きながらも、笑顔を浮かべている圭の姿があった。
もう、圭の姿を見るのは、これで最後なんだと思うと、胸が熱くなり涙が零れそうになった。
でも、これで終わりじゃない……。
私はそう思うと、右手に拳を作り力を込めた。
私は、壇上に居る圭の姿を目に焼き付け、胸に刻み込むと会場を後にした。
.
最初のコメントを投稿しよう!