策略

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「柏木さん・・・ありがとう。行きましょう」 「いいのか?」 「ええ、これでプラウドの倒産は免れたわ」 私がそう言うと、柏木さんはそっと私の腰に手を回した。 会場の入り口に来た時、最後にもう一度、壇上の方に視線を向けた。 そこには、少し戸惑い驚きながらも、笑顔を浮かべている圭の姿があった。 もう、圭の姿を見るのは、これで最後なんだと思うと、胸が熱くなり涙が零れそうになった。 でも、これで終わりじゃない……。 私はそう思うと、右手に拳を作り力を込めた。 私は、壇上に居る圭の姿を目に焼き付け、胸に刻み込むと会場を後にした。 .
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