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「そろそろ来ると思ってたよ・・・・」
敦は、クスクスと楽しそうに笑いを噛み締めて私にそう言っていた。
「それで・・・?俺にお願いでもしに来たって訳?」
「お願い?いいえ、取引をしに来たのよ」
私がそう言うと、敦と美幸は顔を見合わせると、二人共顔を歪ませて笑った。
「貴方・・・気でも可笑しくなったの?貴方の様な人間が、如月と取引?」
「紗希、いくらお前が親父の娘だとしても俺等と取引って・・・・」
二人はそう言うのを聞くと、私はフッと鼻で笑った。
「そんなに可笑しいですか?私の様な・・・・、貴方達から見たら劣った人間が、如月に取引を申し込む事が?」
私はそう言うと笑みを浮かべて、足を組むと椅子の背もたれに凭れた。
その態度に、敦も美幸も笑うのを辞めて私を睨んだ。
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