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「母は、貴方や敦・・・そして如月を守る為に7年も我慢して過したのよ。それを、この人は何も知らずに、母と伯父を追い込んだ。母と伯父は、従業員や私を守る為に自らの命を絶ったのよ」
私は、その事が悔しくて口を噛み締めた。
「そんなの嘘よ!私や如月を守る?何言ってるのよ!あの女は、東條を守る為にここに来たんじゃない!!」
美幸はそう言うと、私を睨み付けた。
「当時、資金繰りに困っていたのは如月の方よ」
「えっ?・・・そんな、まさか?そんなの嘘よ!!」
「如月のお爺様は、世間体を酷く気にする人だったようね。身内にもこの事は隠していた。資金難に困ったお爺様は、東條に資金援助を求めた。その契約に母との婚姻話が持ち上がったのよ。母は、離婚すれば如月が潰れる事を知っていたから、貴方からの嫌がらせも父の仕打ちも耐えていたのよ」
「・・・嘘よ!そんなの嘘に決まってるわ!!」
美幸は、顔を強張らせながらそう叫んでいた。
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