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「やり方が汚いのよ……。身内の問題に、他人を巻き込んでんじゃないわよ!」
私がそう叫ぶと、敦も美幸も何も言えず黙り込んでいた。
シーンと静まり返った室内で、最初に口を開いたのは泰希だった。
泰希は、車椅子を押していた男に合図を送ると私の傍まで来た。
「紗希・・・・、すまなかった」
そう言うと、泰希は深く腰を曲げ頭を下げた。
「敦や美幸がした事は、ワシの責任だ。本当にすまなかった」
その声は、泣いているのか震えていた。
そんな姿を見た敦も美幸も、驚き泰希を見つめていた。
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