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「紗希!!」
「社長!!」
泰希は、慌てて私の傍に来ると私の体を起こした。
「・・・っつ」
私はお腹に手を宛てながら、目の前の光景を見た。
美幸がナイフを持っており、そして敦は私を庇う様に立つと、その腕から赤い液体が滲み出ていた。
「ああ・・・・、敦・・・・」
美幸は、自分の息子を刺してしまった事なのか、信じていた息子が私を庇った事なのか、信じられない様な表情で目を見開き、顔を蒼くして立ち尽くしていた。
「紗希、大丈夫か?立てるか?」
泰希と車椅子を押していた男性は、私の腕を掴み私を立ち上がらせた。
しかし、私は違和感を感じると、サッと血の気が引いていった。
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