真実の果てに

17/32
前へ
/1301ページ
次へ
「紗希!!」 「社長!!」 泰希は、慌てて私の傍に来ると私の体を起こした。 「・・・っつ」 私はお腹に手を宛てながら、目の前の光景を見た。 美幸がナイフを持っており、そして敦は私を庇う様に立つと、その腕から赤い液体が滲み出ていた。 「ああ・・・・、敦・・・・」 美幸は、自分の息子を刺してしまった事なのか、信じていた息子が私を庇った事なのか、信じられない様な表情で目を見開き、顔を蒼くして立ち尽くしていた。 「紗希、大丈夫か?立てるか?」 泰希と車椅子を押していた男性は、私の腕を掴み私を立ち上がらせた。 しかし、私は違和感を感じると、サッと血の気が引いていった。 .
/1301ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6706人が本棚に入れています
本棚に追加