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「切迫流産ですね。以前から少しお腹の張りがあった様ですし、まだ安定期ではありませんでしたので、状態も不安定だったんでしょう。でも、すぐにこちらに来られたので大丈夫ですよ。しかし、2週間は安静にして頂きますので入院をお願いします」
医師からそう言われ、ホッとして涙を流した。
紗希が、妊娠していたなんて知らなかった。
おまけに、心臓が弱っているなんて・・・・。
紗希が入った個室の前に来ると、俺は震える手でドアを開けた。
そこには、まだ青白い顔をした紗希がベッドに横たわっていた。
「社長・・・・」
白峰も顔を強張らして、壁際に立っていた。
「……敦、私の赤ちゃんは?」
「ああ、大丈夫だ。2.週間入院して安静にして様子を見ようって……」
俺がそう言うと、紗希はホッとした顔を浮かべていた。
そして、涙を流すとお腹に手を宛てて微笑んだ。
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