真実の果てに

21/32
前へ
/1301ページ
次へ
★☆★☆★☆★☆★☆★☆ 「切迫流産ですね。以前から少しお腹の張りがあった様ですし、まだ安定期ではありませんでしたので、状態も不安定だったんでしょう。でも、すぐにこちらに来られたので大丈夫ですよ。しかし、2週間は安静にして頂きますので入院をお願いします」 医師からそう言われ、ホッとして涙を流した。 紗希が、妊娠していたなんて知らなかった。 おまけに、心臓が弱っているなんて・・・・。 紗希が入った個室の前に来ると、俺は震える手でドアを開けた。 そこには、まだ青白い顔をした紗希がベッドに横たわっていた。 「社長・・・・」 白峰も顔を強張らして、壁際に立っていた。 「……敦、私の赤ちゃんは?」 「ああ、大丈夫だ。2.週間入院して安静にして様子を見ようって……」 俺がそう言うと、紗希はホッとした顔を浮かべていた。 そして、涙を流すとお腹に手を宛てて微笑んだ。 .
/1301ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6706人が本棚に入れています
本棚に追加