6706人が本棚に入れています
本棚に追加
「良かった・・・・。本当に良かった・・・・」
その笑みは、紗枝と全く同じだった。
その微笑みは、昔、紗枝が紗希を抱いて微笑みかけていた、あの聖母マリアの様だった。
「紗希、ごめん・・・・。今日はゆっくり寝てくれ。明日、ちゃんと話そう・・・」
俺がそう言うと、紗希は小さく頷いた。
「社長、会長へ連絡を入れてきます」
白峰が、俺の耳打ちでそう話すと、紗希は何かを思いだした様に顔をこちらに向けた。
「白峰さん。一つお願いしてもいいですか?」
そう言うと、紗希は鞄を取る様言うと、中から携帯を取り出した。
「柏木組の組長、柏木 直人さんにこの状況を連絡してもらえますか?」
「えっ?!柏木組・・・・って、あの柏木組・・・ですか?」
俺も唖然とした。
.
最初のコメントを投稿しよう!