真実の果てに

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俺は、白くて弱々しい手をそっと握った。 居なくなった紗希を見つけてからは、ずっと影から見つめていた。 誰も来ない卒業式。 誰も祝う事も無い、大学の入学式。 そして、毎年の様に彼女の年齢を祝う人も、もちろん誰も居なかった。 高校生の彼女を見つけた時、俺は絶句していた。 紗枝に似ている彼女の容姿もそうだが、真っ直ぐと見据える瞳は、ただ真っ黒でどこか暗い闇の様で……。 学校帰り、楽しそうに帰っている級友とは別に、いつも一人きりだった紗希。 .
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