6706人が本棚に入れています
本棚に追加
そんな中、俺は母親にいい顔をしながらも、初めて紗希と接触を取った。
この時は、ただ、如月を通して紗希との接点が欲しかった。
日夜働く紗希だけに、お金が欲しいと間違いなく思うと思っていた。
だから、本当の父親が如月家の当主で、その財産の話になれば飛びつくと思った。
放棄してくれとこちら側が提示しても、俺に助けてくれと言ってくると思った。
こんな俺をどう思うだろう。
紗希には、俺の事をどう映すのだろう。
俺は、そんな興奮に近い不安と、紗希に会えるという気持ちで年甲斐も無くドキドキしていた。
しかし実際、彼女に会い、言葉を交わすと、俺はショックを貸し切れなかった。
.
最初のコメントを投稿しよう!