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「本当にお前ってヤツは・・・・」
次の日の朝、柏木さんが病室にお見舞いに来ていた。
「心配をお掛けしました」
「まぁ、しばらくオテンバ娘も大人しくしてな」
柏木さんはそう言うと、私の頭を優しく撫ぜ笑みを漏らした。
柏木さんは、心配して誰か病室に着けようかと言ったが、私はそれを断った。
朝、目が覚めると、敦が私の手を握ったまま椅子に座り、目を瞑って寝ていた。
昨夜、私に代わって医師の説明を聞いて戻って来た敦の目は、真っ赤になっており、朝起きた時も、その瞼は腫れ上がり、泣いた後だと判った。
これ以上、この人が何かをするとは、思えなかった。
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