愛するという事

新たなテリトリーに向かって

その時、母の紗枝は敦に言ったという。

『この子はね、母親は違っても貴方の妹なの。だからこの子が何か困った時は、助けてあげてね？お兄ちゃん？』

そう言って、敦の頭を撫ぜてくれたのが凄く嬉しかったのだと。

それから、美幸よりも密かに紗枝が自分の母親だったら良いのにと思う様になり、紗枝に抱かれている私を妬む事もあれば、私が敦に微笑み掛けると愛しさもあり気持ちのバランスが取れなくなったらしい。

それから母と私が如月家を出た後、敦は時期を見て私達を探していた。

その後、私を探し出すと影でずっと見ていたらしい。

そして、圭と同棲し圭の本気の気持ちを知った時、私が圭に取られると思い接触したとの事だった。

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