新たなテリトリーに向かって

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兄として頼って欲しい気持ちと、敦自身味わった地獄の様な如月に縛られた気持ちを私にも味あわせ、共有したいと思っていた。 美幸もまた、私が産まれた事で最初は有沢との子供だと思っていたが、ある日、紗枝と有沢の会話を聞いてしまったらしい。 『紗枝、もう十分だろう?東條に戻ろう。お前がこんなに我慢する必要は無いんだから・・・』 『でも・・・、私は泰希さんを愛してるの。例え報わなくてもいい。少しでも傍に居たいの。ごめんね。兄さん・・・・』 有沢と紗枝が逢引していると思っていた美幸は、こんな会話を聞いてしまい、ついに美幸の心が壊れてしまったらしい。 このままだと、本当に如月がダメになる。 “私の如月が・・・・” そう思ったらしい。 .
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