新たなテリトリーに向かって

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「情けない・・・・・」 俺は親父の言葉に、胸が軋んだ。 それは、今の俺にもよく分かっている。 俺は何も言えず、俯いてしまった。 そして、親父はまたコーヒーに口を付けた。 昔の俺だったら、言い訳をするだろう。 しかし、俺はいい訳も何もしなかった。 プラウドを守れたのも、紗希のお陰だ。 その紗希を俺は、守れないでいる。 本当に、情けない。 長い沈黙の後、親父はソファーから立ち上がった。 そしてリビングのドア前に立つと、親父は背を向けたまま話した。 .
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