新たなテリトリーに向かって

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「あの子は、本当に良い子だ。母親の紗枝さんにもそっくりな、いい笑顔だったな・・・・」 「えっ?」 俺は、思わず親父の方を見た。 親父は何を言っている? 紗枝・・・・? 俺はその名前に、どこか懐かしいと思っていた。 「今日の午後の便だそうだ。日本を発つのは・・・」 そう言うと親父は、リビングから出て行った。 午後の便・・・・? まさか、紗希の事か? 俺は守の方を見ると、守はすでに車のキーを手にしていた。 俺と守は、急いで車に乗り込むと空港を目指した。 親父が何故、紗希の事を知っていたのかだとか、紗枝と言う人が誰なのか、そんな事はどうでも良かった。 とにかく、紗希に会いたかった。 もう一度、紗希に会わないと、本当に何もかも終わりになってしまいそうで、とにかく俺は守を急かしながら、空港へと向かった。 .
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