新たなテリトリーに向かって

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その中での、苦難は人それぞれで、受けた愛情も人それぞれだった。 敦は、母や父が傍に居ながらも本当の家族愛に飢えていた。 美里さんは、傍に居る武浩さんの愛情に気づかず、自分自身を愛し続けた。 優斗君は、大好きなお父さんとお母さんの為に、自己を押し殺して日々耐えていた。 白峰の妹は、愛する兄の為に自ら一人で闘病生活を選んだ。 そして、守さんは大切な親友である圭の為にいつも傍で見守っていた。 私は圭と出会って、いろいろな感情を知った。 友達の大切さや人との繋がり。 人それぞれの苦悩や喜び。 それは、私に取って初めての経験で戸惑う事ばかりだったが、一つだけ言える事がある。 あの時、私を一緒に連れて行かなかった母に感謝している。 その母の大きな愛情を、私は身に染みて感じていた。 .
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