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玄関のチャイムを鳴らすと、バタバタと足音が聞こえ玄関が開くと同時にガバッ!とその人は抱き付いてきた。
「もぉ・・・・突然居なくなるし、連絡一つ寄越さないんだから・・・・」
涙声でそう言うその声が懐かしくて、鼻の奥がツーンと沁みた。
「凛さん・・・、ごめんなさい」
そう言うと、凛さんは私の存在を確かめる様に抱きしめた腕をさらにギュッと強めた。
「ママぁ~?」
その時、私の手を握っていた紗羅が不思議そうに私と凛さんを見ていた。
凛さんは、足元で声が聞こえてゆっくりと顔を下げると、紗羅を不思議な物を見た様に無表情でジッと見つめていた。
そんな紗羅は、キョトンと首を傾げて凛さんを見つめていた。
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