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「その妹さんは・・・?」
「残念ながらお亡くなりになったそうです。白峰の両親も早くに亡くなっていて、兄妹2人だけだったそうです」
「だからと言って・・・・」
そう言うと、武浩さんは困惑した様に眉間にシワを作り口元を手で覆い隠した。
「確かに、美里さんや佐川さんにした事は許される事ではありません。だから、彼は私を追って、異国の地でやり直そうと思ったんだと思います」
「やり直す?」
武浩さんは不思議そうにそう言うと、私の言葉を待っている様だった。
「彼は、私をサポートする事で佐川さんや美里さん、それに圭、如月に対して罪滅ぼしをしたいのだと思います。いえ、それより、自らの懺悔かもしれません」
私はそう言うと、目を伏せ半分に減った湯飲みを見つめた。
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