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「たぶん、彼は死のうと思っていたんだと思います。娘が助かって、私が亡くなっていたらって聞いたら、娘を無事に圭の元へ送り届けて、私の元に帰ってくるって・・・・」
武浩さんは、顔を強張らせて目を泳がしていた。
「彼は、十分反省して自分が犯した罪を悔いています。私の傍でサポートする事で、自分自身を諌めているのだと思います」
私がキッパリとそう言うと、武浩さんは大きく息を吐いた。
「紗希ちゃんは、それを知ってて彼を傍に置いているんだね?」
「直接、彼の気持ちを聞いた訳では無いんですけどね。彼と私、何処か似ている所があったから・・・・」
そう言うと、私は腕時計を見てため息を付いた。
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