それぞれの道

5/27
前へ
/1301ページ
次へ
「たぶん、彼は死のうと思っていたんだと思います。娘が助かって、私が亡くなっていたらって聞いたら、娘を無事に圭の元へ送り届けて、私の元に帰ってくるって・・・・」 武浩さんは、顔を強張らせて目を泳がしていた。 「彼は、十分反省して自分が犯した罪を悔いています。私の傍でサポートする事で、自分自身を諌めているのだと思います」 私がキッパリとそう言うと、武浩さんは大きく息を吐いた。 「紗希ちゃんは、それを知ってて彼を傍に置いているんだね?」 「直接、彼の気持ちを聞いた訳では無いんですけどね。彼と私、何処か似ている所があったから・・・・」 そう言うと、私は腕時計を見てため息を付いた。 .
/1301ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6688人が本棚に入れています
本棚に追加