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「紗羅、そろそろ行こうか?」
「うん!」
そう言うと、紗羅は自分のカバンに絵本を仕舞うとベンチから飛び降りて私の手を握った。
私は紗羅の手をキュッと握って最後に、父親が入院している部屋を仰ぎ見た。
その時、窓際に人影が見え、その人は外の景色を見ている様だった。
「ママ?どうしたの?」
紗羅は、そう言うと不思議そうに私の顔を見た。
私は、紗羅を抱っこすると病棟の方に振り返って、病室をもう一度仰ぎ見た。
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