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「いいのですよ。何分、小さい時でしたから…。お墓参りですか…」
神父様はそういうと、淋しそうな表情を浮かべた。
「もう、22年前ですか…」
神父様のその呟きに私はもう一度、母と伯父のお墓を見た。
ここに来るのに、22年掛かったのね…。
しみじみ、そう思っているとある疑問を思い浮かべ神父様に訪ねた。
「あの…新しい花束が掲げられているのですが。誰か、母と伯父のお墓に見舞う方がいらっしゃったのですか?」
私がそう訪ねると、神父様はニッコリと笑った。
「その事で、お話したい事があるんですよ。是非、教会の方に来て頂けますか?」
「はい…?」
私は不思議に思いながら、紗羅の手を引いて神父様と一緒に教会へ向かった。
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