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「はぁー…」
俺は、タクシーの中で声を出して溜息を付いた。
結局、紗希と娘の紗羅に会う事が出来なかった。
紗希の大学教授から、紗希が無事に娘を産んだ事や、娘の名前が紗羅だという事は聞いていた。
それからと言うもの、会えぬ紗希と、未だこの目で見た事も無い紗羅の事を日々思い続け過ごしていた。
武浩さんに紗希の事を聞いた俺は、無理やりスケジュールを調整して長崎に来ていた。
武浩さんの話しだと、紗希がイタリア語を話していた事から、現在はイタリアに居るのではとの事だった。
それと、紗希の傍には、白峰が居ると言う事。
それを聞いた時、怒りと不安が募ったが、武浩さんが聞いた白峰の話を聞くと、自然とその憤りも治まっていった。
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