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朝から夕方近くまで、紗希の母親と伯父のお墓に来ると花束を手向け願いをした。
どうか、紗希と紗羅に会えますように……、と。
しかし、仕事の都合でどうしても今日の昼の便で一旦戻らなくてはならなかった。
成田で航空便の旅客名簿を調べた所、東條 紗希と東條 紗羅の名前がリストにあった。
しかし、その便は前日にはキャンセルになっていた。
いつ、紗希が日本から発つかは不明だった。
「お客さん、着きましたよ?」
俺は、運転手の声で我に返ると重い腰を上げて降車した。
長崎空港に着いて、念の為、成田か羽田行で紗希達の名前があるか調べてもらったが結局見つける事は出来なかった。
待ち時間の間、長崎の教会での事を思い出していた。
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