すれ違い

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「紗希さん。宮本さんは、今日の昼頃の飛行機で戻られるそうです。今からなら間に合うかもしれない」 私は神父様の言葉を聞くと、パッと顔を上げた。 しかし、すぐに戸惑い不安に駆られた。 「私は……、私は、どうしたら………」 私がそう言うと、神父様は何かを感じたのかゆっくりと私の頭の上に手を置くと、優しく諭した。 「汝の罪を認めなさい。そして、その罪を許すのです」 「汝の…?私自身の罪……。それを許してしまって、いいのでしょうか…?」 「いいんですよ。貴方自身、その罪に気づいているのなら、その罪をまずは、貴方自身が許しなさい。そして、汝を愛する事です」 「私を…、愛する……」 「そうです。貴方自身を慈しみ愛し、そして貴方の大切な人を同じように愛するのです」 神父様は、優しく微笑むとゆっくりと頷いた。 .
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