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「申し訳ございません。宮本様は、すでに搭乗手続きが御済になっています」
「彼が乗る便は?呼び出しは可能ですか?!」
私はカウンターに身を乗り出してそう聞く、スタッフの人は焦った様に言った。
「申し訳ございません。宮本様を乗せた便はすでに離陸体制に入っておりますので…」
私はスタッフからそう聞くと、お礼を述べて紗羅を抱きかかえた。
滑走路が見える窓際に駆け寄ると、紗羅を抱えたままキョロキョロ見渡した。
滑走路には、1機の飛行機がゆっくりと体制を整えると、ごう音を轟かせながら滑走路を走り抜け、青空へと飛び立って行った。
私は、その飛行機をずっと見つめると見えなくなる頃に、一つの溜息を付き長崎空港を後にした。
これも、運命なのか…。
一旦ホテルに戻ると、チェックアウトをして荷物を持ち再び長崎空港に向かった。
搭乗手続きを終わらせると、私と紗羅は一路、韓国の仁川空港に向かった。
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