すれ違い

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★☆★☆★☆★☆★☆★☆ 「紗希ちゃんには……?」 「いや……、会えなかった」 夕方近く、社長室に戻ると一番に守はそう聞いてきた。 コーヒーを淹れ、社長室に入って来た妙子は何処か淋しげだったが、無理に笑顔を携えさせていた。 「一応、お墓を管理している、教会の神父に伝言を頼んでおいた」 「そうか…。ここ数日後の羽田の搭乗リストを調べているが、名前はヒットしなかった。ひょっとしたらまだしばらく日本に滞在するつもりかもな」 守は、そう言うが武浩さんの話しだと、紗希も何かしらの仕事をしている様だった。 仕事でこっちに来ている様だったが、そんなに長期に渡って日本に留まるのか…。 俺は、小さく溜息を付くと自分の椅子に座った。 とりあえず、俺は机の上に溜まっていた書類に目をやると手を掛けた。 .
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