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「紗希ちゃんには……?」
「いや……、会えなかった」
夕方近く、社長室に戻ると一番に守はそう聞いてきた。
コーヒーを淹れ、社長室に入って来た妙子は何処か淋しげだったが、無理に笑顔を携えさせていた。
「一応、お墓を管理している、教会の神父に伝言を頼んでおいた」
「そうか…。ここ数日後の羽田の搭乗リストを調べているが、名前はヒットしなかった。ひょっとしたらまだしばらく日本に滞在するつもりかもな」
守は、そう言うが武浩さんの話しだと、紗希も何かしらの仕事をしている様だった。
仕事でこっちに来ている様だったが、そんなに長期に渡って日本に留まるのか…。
俺は、小さく溜息を付くと自分の椅子に座った。
とりあえず、俺は机の上に溜まっていた書類に目をやると手を掛けた。
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