6683人が本棚に入れています
本棚に追加
/1301ページ
次の日、何も連絡が無いまま午前中の仕事が終わろうとしていた。
紗希の事もあり、俺は以前よりも親父に連絡を入れたりする様になった。
9年前の事もあり、紗希が居なくなる前は、滅多な事で親父に連絡を入れる事は無かった。
親父には、今までの経緯と長崎に出向いた事など全てを話していた。
もちろん、仕事で行き詰った時など、経営者としても大先輩である親父に、相談する事も増えた。
そんなある日、親父は紗希が1歳ぐらいの時に、ウチへ来た事が有ると教えてくれた。
当時、俺がまだ小学6年生の時だった。
親父に言われて、俺は何となくその光景を思い浮かべていた。
そして、紗希が日本を発つと教えてくれた日、親父の口から洩れた懐かしい名前『紗枝』。
何故、懐かしいかと思ったのは、そういう経緯があったからなのだと納得していた。
.
最初のコメントを投稿しよう!