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「ママ?」
不思議そうに見上げた紗羅を抱きかかえると、さっき座っていた椅子に座らせた。
「紗羅……。紗羅のね、本当の気持ちをママに教えてくれる?」
私は、紗羅が座った向かえ側にしゃがむと紗羅の両腕を掴んで、真っ直ぐと紗羅の瞳を見つめた。
「紗羅は、パパに会いたい?」
私がそう聞くと、紗羅は少し顔を俯かせていた。
「……ママは?ママは、パパに会いたくないの?」
紗羅の質問に、私は胸がズキンと痛んだ。
まだ3歳の紗羅に、こんなに淋しげな表情をさせていたのかと思うと、胸が張り裂けそうだった。
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