6682人が本棚に入れています
本棚に追加
/1301ページ
紗羅の『クマさんありがとう』の言葉に、俺は会えなかったものの、長崎に行った事は間違いではなく、俺の願いを聞き入れてくれた紗希の母親、紗枝さんに感謝した。
少し無言の後に、紗羅はゆっくりとだけどハッキリと俺に聞いた。
[パパ……。パパは、紗羅に会いたい?]
俺は、目を瞑ると俺も紗羅と同じように、ゆっくりとそしてハッキリと伝えた。
「もちろん、会いたいよ。ママにも会いたい。今すぐにでも会いに行きたいよ」
[ホント!!サラも、サラもね、パパに会いたい!!]
嬉しそうにそう言う紗羅の声に、俺はどうしようもなく心も震えていた。
[パパ、会えるの?]
「ああ、会えるよ。いや、会いに行くよ…。必ず、紗羅とママを迎えに行くからいい子に待っててくれるか?」
[うん!待ってる!!指切りげんまんだよ?]
「ああ、指切りげんまんな…」
俺がそう答えると、紗羅は弾けた様に返事を返した。
.
最初のコメントを投稿しよう!