愛するという事

15/31

6682人が本棚に入れています
本棚に追加
/1301ページ
電話を切りたく無い。 ずっと、紗羅と話していたいが、紗希の声も聞きたい…。 「紗羅ごめん。ママに代わってくれるか?」 [うん!ちょっと待っててね?] 紗羅はそう言うと、電話の向こうで「はい!ママ、パパだよ」と言う可愛い声が聞こえてきた。 しばらく無言の後、やっと愛する人の声が聞けた。 [……圭] その声は、震えていたが懐かしい愛する人の声だった。 「紗希……、紗希、ありがとう。本当に、ありがとう……」 俺の声も情けない事に、震えっぱなしだった。 紗希に、泣いている事はバレているだろうな。 でも、そんな事はどうでも良かった。 やっと、やっと、紗希の声が聞けたのだから。 .
/1301ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6682人が本棚に入れています
本棚に追加