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[ううん。私こそ、ごめんなさい…]
紗希は、そう言うと電話の向こうで泣いている様だった。
「紗希、必ず迎えに行くから…。だから待っててくれるか?いや、もう何処にも行かせないからな?絶対に見つけ出して、俺の傍から離れさせないからな?」
俺がそう言うと、紗希がクスッと笑った様な気がした。
[待ってる…。紗羅と一緒に待ってるから……]
紗希の答えに、俺はホッとすると頬を緩ませていた。
[ごめん。もう搭乗手続きが……]
「紗希、また連絡出来るか?」
[……うん。連絡先、またメールで送るから]
「分かった。必ず送ってくれ……。待ってる」
俺がそう言うと、紗希は小さな声で「じゃ…」と言った後、しばらくして通話を終わらせる音が聞こえてきた。
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