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俺は、ゆっくりと携帯電話を耳から離すと力なく椅子に座った。
そして、大きく息を吐き出すと両手で顔を覆い机に肘を着いていた。
俺は、流れる涙を抑える事が出来ずしばらくの間、俺はずっとそうして涙を流していた。
やっと、紗希を見つけた。
どんなに探しても見つからなかった。
諦めたつもりも無いが、ヨーロッパに出張で出かけた時は、必ず予備日を作って、あちらこちらに足を運んでいた。
もちろん、人を雇って探してもいた。
主に、病院……、身籠っている紗希は、心臓の事もあり、必ず大きな病院に掛かっていると睨んで、総合病院を当たった。
そして月日だけが経ってしまい、紗希の痕跡は薄れていくばかりだった。
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