愛するという事

17/31

6682人が本棚に入れています
本棚に追加
/1301ページ
俺は、ゆっくりと携帯電話を耳から離すと力なく椅子に座った。 そして、大きく息を吐き出すと両手で顔を覆い机に肘を着いていた。 俺は、流れる涙を抑える事が出来ずしばらくの間、俺はずっとそうして涙を流していた。 やっと、紗希を見つけた。 どんなに探しても見つからなかった。 諦めたつもりも無いが、ヨーロッパに出張で出かけた時は、必ず予備日を作って、あちらこちらに足を運んでいた。 もちろん、人を雇って探してもいた。 主に、病院……、身籠っている紗希は、心臓の事もあり、必ず大きな病院に掛かっていると睨んで、総合病院を当たった。 そして月日だけが経ってしまい、紗希の痕跡は薄れていくばかりだった。 .
/1301ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6682人が本棚に入れています
本棚に追加