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イタリアに戻ってから、2ヵ月の月日が経っていた。
紗羅は、いつ会えるか分からない圭に思いを馳せている様だった。
圭の元を離れる時、私は圭の携帯番号とアドレス、そしてたった1度しか撮った事のない、圭とのツーショットの写真をどうしても消す事が出来なかった。
携帯を解約する時、私はその写真をメモリカードに保存して大切に保管していた。
私はそのデータをパソコンに落とし、紗羅にはこの人が紗羅の父親だと見せた。
それからというもの、朝起きた時や寝る時には、わざわざパソコンを立ち上げ、その写真に向かって「おはよう」や「おやすみなさい」と言葉を掛ける様になっていた。
もちろん、紗羅のベット脇には3体のテディベアーが並べて置いてあった。
テディベアーに掛かっていたネックレスは、高価の物だと分かっていたので、紗羅と一緒に選んだ宝石箱に大切に保管してある。
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