6683人が本棚に入れています
本棚に追加
/1301ページ
でも、圭を好きでいる気持ちと同時に、この子を拒否されたらという気持ちも持ち合わせていた。
だから、自分の身を引く事で、この子を守り、そして如月から圭を守れるのだと思っていた。
それが、私の愛するという事だった。
でも、愛という物は、日々形を変える物なのだと最近、紗羅を見ているとヒシヒシと感じていた。
物事の理解が出来る様になってきた最近の紗羅は、表情も豊かで自分の意思もハッキリと言える様になってきていた。
しかしそんな中、言葉に出さないでも、本当は自分の父親に会いたいという気持ちを感じる事がある。
他の子が父親と楽しげに居る所を見ると、少し淋しげな表情をする事があったから。
それでも、紗羅はそんな事を口に出す事は一度も無かった。
.
最初のコメントを投稿しよう!