フィールドワーク

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妙子は、その途端シュンとした表情を浮かべた。 「・・・再婚するんだって」 「・・・どっちが?」 「父親・・・」 「反対なの?」 「反対・・・、じゃないんだけど・・・。でも・・・」 妙子はそう言うと、体操すわりをして膝を抱えると子猫の様に小さく蹲った。 「何が引っかかるの?」 「うん。お母さん、たまに泣いてるんだ・・・。お父さんの名前を呟いて。私には気づかれて無いと思ってると思うんだけど。そんなお母さんを知ってるから、お父さんの再婚を手放しに喜べなくて・・・」 私は、妙子の言葉を聞いて小さく溜息を付くと、妙子の頭を優しく撫ぜた。 たぶんこんな時、誰かの温もりを感じたいんだと思ったからだ。 .
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