フィールドワーク

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私は、妙子が泣きやむまで妙子の背中を撫で続けた。 妙子は、泣く事ですっきりしたのか泣き止んだ途端、急に元気になり学校の事や就職の事を話していた。 この切り替えの早さは、妙子らしくて思わず笑ってしまった。 その笑顔を見て、何だか私の心もホッコリと温かくなった様な気がした。 今までの私なら、『言いたい事や聞きたい事があるなら、ハッキリ聞けばいいんじゃない?』ぐらいの簡単で素っ気ない言葉を言っていただろう。 でも、ハルさんに言われ、妙子の状況を自分と重ね合わせた時、私が妙子に説明した様な言葉や態度を期待しているのでは、と思った。 素直にそう考える事が、ハルさんが言った“心を開く”と言う事なのかと分かった気がした。 .
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