6719人が本棚に入れています
本棚に追加
「話し・・?」
「有沢は、就職活動をしていないみたいだが・・・。卒業後、どうするつもりなんだ?前に欧州に行きたいって言ってたよな?」
私は、正直どうしようか迷っていた。
ACQUAの仕事、Air’sの仕事・・・、何より圭の事も気になっていた。
「正直どうしようか迷っています・・・」
「迷いか。例の彼の事か?」
「それもあるんですけど。バイトの事とかも、もっと自分のスキルを上げる事もできると思うんです。でもインテリアの仕事もしたいし・・・」
「そうか・・・。まぁ、有沢のフィールドワークを広げる意味でも、今のバイトも海外に目を向ける事は有沢に取って、かなり大きな影響を及ぼすと思うよ。ただ・・・」
秋元教授は赤信号の為、静かに車を止めると優しい笑みを浮かべて私の方を向いた。
「俺が、有沢を手放したくないと思うのは、俺のエゴかな・・・」
「えっ?」
私は、思わぬ秋元教授の告白に動揺して、顔を真っ赤にさせていた。
.
最初のコメントを投稿しよう!