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ゆっくり振り返り圭を見ると、圭は眉間にシワをこれでもかというぐらい作り、先ほどよりも機嫌の悪さが増幅している様だった。
ガラス扉の向こうでは、佐脇さんが苦笑いして立っていた。
私は、その姿に溜息を付くと、ゆっくりと圭の傍に歩み寄った。
「・・・た、ただいま・・・」
私がそう言うと、圭は私を睨んだまま私の手をギュッと掴むと、引っ張るようにしてマンション内に入って行った。
「有沢様、お帰りなさいませ」
佐脇さんは、苦笑いを浮かべたままお辞儀をして挨拶をすると、私も苦笑いを浮かべ挨拶をした。
「佐脇さん、ただいま・・・」
私は、圭に引きずられる様にエレベーターの方に連れられて行ったので、ちゃんとした挨拶もかわせずにいた。
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