フィールドワーク

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「あれは、圭をからかったのよ」 「俺を・・・、からかう・・・?」 「そう。たぶん、私の帰りをマンション前で待っている圭を見て、秋元教授は悪戯を思いついたんでしょ?圭は、その悪戯にまんまと乗せられたって事」 私は、クスリと笑うとコップをテーブルの上に置いた。 圭は、安堵したのかホッと溜息を着くと私の抱き寄せて、ギュッと抱きしめた。 「ごめん。俺って、強引だし我が儘だし・・・、田中さんの事もあって紗希に嫌われたかと思った。他の男の所に行ったのかと思って嫉妬した」 「嫌って他の男の所に行ったんだったら、此処には帰って来ないし昨日、守さんが来た時にそう伝えてるわよ」 私は一瞬迷ったが、圭がギュッと私を抱きしめるという事は同じことをして欲しいのかと思い、戸惑いながらも圭の背中に手を回しゆっくりと力を加えた。 すると、圭はより一層腕に力を込め私を抱きしめた。 .
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