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「圭は、何で私の両親が死んだか知ってる?」
そう言うと、圭は少し困惑した表情を浮かべたが、申し訳無さそうに口を開いた。
「親父さんの会社経営が行き詰って・・・。それを苦にと聞いているが・・」
「圭が言った通りよ。借金を抱え経営が悪化して、従業員にも給料が払えない状況になったの・・・」
「でもそれは・・・」
圭が何かを言おうとした時、私はその言葉を制して話しを続けた。
「保険金は、契約時に一定期間を経っていない場合と、計画的に保険金を目的とした自殺の場合は支払われないの」
「ああ、保険会社によっても規約が違うが・・・」
「表向きは、経営苦による自殺となっているんだけど、本当は保険金を目的とした自殺なのよ」
「えっ??」
圭は、目を丸くして驚くと私の顔をジッと見つめた。
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