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応えようと思えば応えられる。
しかし、応える訳にはいかない。
そんな状況が長く続いていたが、樹と巴のお節介のお陰で、俺たちは恋人同志になった。
実は、今でもこれでいいのか、という思いがあったりする。
龍司は同性愛者ではないし、子どもが好きだ。
つまり、普通に結婚して家庭を築く事も可能であるはずなのだ。
それなのに、家庭を築く事など叶うはずのない、俺なんかの側にいて良いのだろうか。
もっと、別の幸せが有るのではないか…。
近くで龍司の優しさを感じれば感じる程、そんな思いは大きくなっていた。
しかし、俺には龍司を突き放す事は出来ない。
俺には龍司が必要なのだ。
龍司がいなければ、生きていけない程に…。
俺の側にいるだけで幸せだという龍司に、俺は一体どれだけの事をしてやれているのだろうか。
考えても、答えなど出る筈は無かった。
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