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完全にやられました
僕は本気で思った。
明日はバレンタインデーなので、巴にチョコレートをあげたくてエミールに何か知恵を借りようと思ったのに、当の巴に先を越されてしまった。
仕方なく、僕はもう一人のアテを当たる事にした。
「はい~」
ドアをノックすると、朔夜くんは部屋にいた。
菓子類を作らせたら、朔夜くんはかなり凄いという事を僕は知っている。
だから、エミールがダメならば彼しかいない訳です。
「というわけなのですが、何かいいアイデアはありませんか?」
「そうですねぇ~。不器用な樹坊っちゃんでもできる物と言ったら、トリュフなんてどうですか~?」
「随分きっぱり言いましたね。でも、それなら僕にでも出来そうです。作り方を教えていただけますか」
「もちろんです~。それじゃあ、材料を買いに行きましょうか~」
朔夜くんのちょっと恐い運転で、近くのスーパーに到着した僕らは、ここでも巴とエミールを見つけて、向こうに見つからないように材料を集めた。
もっとも、エミールはこちらに気付いていたようですが。
とにかく、僕と朔夜くんは巴にだけは見つからないように家に帰った。
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